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田中茂範先生対談: JPN / ENG

慶応大学教授 田中茂範先生 対談

 

石渡 本日はミライキンダーガーテンについてお話させてください。ところで先生は教員生活は何年になられますか?

田中茂範教授(以下田中) よろしくお願いします。教員生活36年になります。慶応のSFC(湘南藤沢キャンパス)の立ち上げから携わり慶応には28年在籍することになりますね。

~ミライの英語教育について~

石渡 さっそくですが、先生に顧問になっていただいている当園は、ココネ株式会社の子会社にて運営しています。先生は、ココネ株式会社の言語研究所の所長も勤めておられますが、ご専門についてお聞かせください。

田中 私は、フィールドとしては「英語教育」なんですね、専門としては「言語学」というものになります。基本的には、コミュニケーションの本質、行なわれ方、その考え方を英語教育に生かそうということを研究、実践しています。

石渡 先生は、ココネでPEN英語教師塾というのも運営されていますね。先生のご覧になっている対象は、まずは英語教師なのでしょうか?

田中 そうですね、NHK英会話なども長年担当してきたのですが、やはり先生の教育が最優先だと思っています。英語の授業というのは、教材も大切ですが、先生が命ですね。日本の英語教育は先生が変わらないとならないと考えています。

石渡 日本人は大学まで10年以上、英語を勉強しますが、結局、生きた英語を話せる人ってほんの一握り。英語コンプレックスのある国ですよね。

田中 そうですね、英語が嫌いな人も多いと思います。私も学生に「英語好きですか」と聞くと、本当に多くの学生が「苦手」と返しますね。しかし、「じゃ、英語ができたら何をしたい?」と聞くと、笑顔でいっぱい答えが返ってくる。英語自体が嫌いなわけじゃないんですよ。

石渡 つまり、英語の学習の過程で、英語への苦手意識が出てしまう。

田中 そうですね、やはりTeaching = Learning だと思っている。教えるためには、常に学び、腕を磨かないとならないですね。

石渡 私たちの幼児教育も、先生のLearningがとても大切ですね。当園「インターナショナルモンテッソーリミライキンダーテン」は2017年4月に開校しました。田中先生からご覧になって、ミライはいかがでしょうか。先生のご指導により、英語はネイティブの先生とともに、座学ではなく、子どもたちに英語を使う「環境」を提供しています。

田中 そうですね、園の先生に繰り返しお願いしているのは、いかに自然な英語環境を作るかということです。英語があふれている環境で、英語を使うこと自体が自然、ということが大切です。まずは3歳前後からの幼児期は、吸収力が非常に高いので、その時期を逃がさず、自然な英語の環境で使える英語を身に着けるということですね。

石渡 園では、英語の時間は、ボール遊びをするにしても、一緒にいるのはネイティブの先生ですから、「誰とけんかした」というようなことも英語で言わなければならない。ぶつかったのが子ども同士なのか、ボールが当たったのか、泣きながらでも、必死で英語で伝えようとする姿を目にしますし、ワークステーションという職業体験コーナーもあります。大変自然な環境になっていると思いますね。バイリンガルという視点ではどうでしょうか。

田中 親御さんの片方がネイティブスピーカーの場合、2歳から通園いただいて年長まで行く場合は、かなり良い線にいくと思いますね。ただし、気を付けなければいけないのは、単語の数が多いとか、文章がたくさん書けるということではなく、英語の土台となる脳がいかにできるかだと思いますね。
ミライの半日英語の環境の中で学び、遊び、生活する環境では、両親が日本人で家庭で日本語を話しているお子さんの場合は、自分の中に母語としての日本語があり、セカンドランゲージとしての英語も違和感なく生きた言葉として導入されていくと思います。生きた言葉として入りますので、英語を嫌いには絶対にならないはずですね。

石渡 ただ、残念ながら日本では、そのあとインターナショナルスクール等に入らないとなかなか英語の環境は維持できないと思います。

田中 はい、ただ2歳前後から年長までの間、ミライのような英語環境に浸った場合は、間違いなく英語を聞く「耳」、英語をかなでる楽器としての「口」つまり「発音」は伸びるし、たとえその後、地元の小学校にいったとしても、自転車の乗り方と一緒で、一度、身につけておけば、使うべき時に必ずよみがえります。

石渡 脳の土台ができているとおっしゃったのはそれですね。

田中 はい、思考回路も同じで、英語の回路ができていればしばらく使わなくても、いったんできたものはまた使えるようになります。

石渡 幼児期に英語の環境になく、小学校や中学校に行ってから日本式の英語の勉強をする子とはどう違いますか?

田中 同じ単語の量を知っていても、残念ながら日本の検定教科書どおりの授業だと、記憶に「ためている」だけになってしまいますね。まあ、大学受験では使えると思いますが、英語は苦手、話せません、という状態になってしまうのが一般的だと思います。

石渡 幼児期から学んでいる子は、ためているのではなくて、使いこなせるということですね。

田中 はい、使える英語を身に着けるにはlearning by doing、つまり、使いながら学ぶ必要があります。しかも吸収力があり、母国語でなくても違和感を感じずに受け入れられる幼少期にその環境に入っておく必要がありますね。

石渡 職業体験といいましたが、ごっこ遊び用のworking stationなど、子供たちにlearning by doingしてもらう環境がミライにはありますね。

 

田中 そうですね、幼児期の子供たちに、週のうち数時間だけ座らせて単語を覚えさせても何の意味もありません。その点、ミライでは、半日は英語のみの環境にしつつ、教え込むのではなくて自然な環境としての英語を提供しているわけですね。

~ミライのモンテッソーリ教育について~

石渡 ここで、ミライの特徴ってなんだろうということを考えてみたいのですが、やはり1日中、英語環境というのではなく、半日は、日本語でモンテッソーリ教育を行っていることが特色として出てくるのかなと思っています。
当園の園長は、モンテとバイリンガルの幼稚園でのご経験がありまして、設立当初から参加していただいています。ミライのアイデンティティって、結局モンテなの?英語なの?という議論になったときに、結局、「どちらもだ」というのが結論なのですが、やはり、コアとして芯に通っているのはモンテッソーリ教育だとは思っています。

田中 そうですね、モンテッソーリ教育の根本は、「ポテンシャルに対する信頼」だと思いますね。

石渡 はい、「子供はみんな天才として生まれるけれど、大人がその99%を壊してしまう」と言われていますね。子供の持つ可能性を信じ、自分で学ぶ力をつけさせてあげようというのがモンテッソーリ教育の骨格なのかなと思います。
モンテッソーリの教具はいろいろありますが、全部子供の手の届くところにあって、最初こそ先生が「提示」と言われるお手本を見せますが、あとは何をするかはすべて子供が選び、どのくらいするかも子供主体で進行します。
園長がいつも言っているのですが、「自分で教具を成し遂げたときに見せる子供たちの誇らしげな顔は、自信に満ちている。その後、できない子を見つけると自然と教えに行き、教えてあげた子ができるようになる。そのとき、教えた子の顔は、自分が出来たときより、さらに輝いている」と。素敵な教育だなと思いますね。園長いわく、「人はやはり、人の役に立ということに、自分の有用性を再認識し、大きな喜びを感じる」と。成し遂げることで自信を持ち、人を教え助けることでさらに自信が強くなる。今ミライの子供たちは、そういう時間を過ごしているんですね。

田中 そうですね、モンテッソーリ教育により子供たちが「学びは楽しい」と知り、自分の世界を広げていく、開拓する力を自ら確認し、伸ばしていっているといえますね。
その意味では語学の「学び」も変わることはありません。伝えられなかったことが伝えられるようになる、英語の先生とコミュニケーションができるようになる。自分でそれに気づき、喜び、自信をつけ、さらに自分の世界を広げていく、という意味では同じですね。

石渡 モンテッソーリは「何をしなさい」「これをしなさい」というはなく、あくまで子供の選択にゆだねているそうです。ただ、そばにいる大人が、子供たちの興味や吸収力の高まりを敏感に察知して、そっとそこに置いてあげることはある。英語も同じですね、子供たちの興味に合わせて必要な環境を用意してあげる。そうすれば子供たちは無理なく、楽しく、自然になじんでいきます。

田中 そうですね。特に幼児期は、一人ひとりのスピードは違いますね。今、その子が何に向き合っているかしっかり見極める先生方の力は特に必要だと思います。その意味でモンテッソーリ教育を学んでいる先生方が身近に常にいるというのは大変な強みだと思いますね。
先ほどから話していますが、日本で英語が浸透しないのは「教育」してしまうからです。「環境」を与える必要があります。いかに良くできたものでも、用意されたパッケージを一生懸命やらせるのは絶対にNGです。子供たちがひきつけられる世界をつくることこそ大切。
表現の楽しさに乗せてあげる。先生に必要なのは、座らせて教え込むのではなくて、子供たち一人一人の様子をよく観察し、把握し、「今その時だ!」と見極めてあげる力です。

石渡 そういう意味では、日本語で行うモンテッソーリ教育と、英語環境が用意された部分とは、強くつながっていて、相互に作用しているといえますね。

田中 そうですね。モンテッソーリ教育では、子供の可能性を大切にしていて、もともと天才で生まれているはずの子供たちの才能をいかに引き出してあげるかということだと思いますが、それは語学(英語)だって同じです。
難しい単語は出さないとか、フレーズは短いものに限定するとか、そんな必要はありません。大人の尺度で限界は決めてはならないんですね。子供って興味を持ったらびっくりするくらい吸収するし、驚くほど難しいことが分かったりします。

石渡 確かに、そんなこともわかっているんだと思うことはありますね。結構、難しい語彙だったり、あるいは意味だったり。大人の言うことはほとんど分かっていると感じますし、空気を読んで知らんぷりもしてくれますし。子供って本当に何でも分かっていますよね。

~ミライの教育について~

石渡 ミライの教育は、モンテッソーリ教育をベースにしつつ、先生方の子供へのまなざし、かかわり方においては英語教育も同じベースで行われていることに大きな意味がありますね。子供たちを長く預かりますので、「保育」「発達」という視点、それからミライの特色である「モンテッソーリ」と「英語」。この3本の柱をさらにより良く融合させていけたらなと思います。

田中 そうですね。そのためには先生方の毎日の研鑽が必要だと思います。
幼児教育の担当者に望むことは、「幼児の見ている世界に入り込め」ということです。それによって成果が大きく変わると思っています。ある意味、子どもに乗りうつり、自分自身が子供の気持ちになっていないとできない。英語でよい教室を作るには一緒に子供と盛り上がり、反応する必要があるんです。先生自身が、Active learning  Doing and Thinking を日々続け、進化していく必要があります。

石渡 そうですね。モンテッソーリを受け持つ日本人の先生と、英語を主に受け持つネイティヴの先生が、毎日ワンポイントずつでも子供に関する情報を共有し振り返り、改善する。
その積み重ねが、ミライの目指す英語教育、さらには生涯をもって英語を使いこなす土台を持つ子を育て、言語の壁がない子に育ていくために必要と思っています。

田中 それから、親御さんには、「バイリンガル」になるんだということだけに注目してほしくないですね。幼児期にこそ身につく、耳や発音というスキルだけではなく、心の意味においても、日本語と英語の環境を交互に行き来することで、多様性を受け入れ、言葉が障害にならない子供を育てたいというミライの思いを知っていただきたいと思いますね。
ミライのような環境で育つことは、「違いに対する寛容さ」を育てます。
国連のアナン事務総長は、有名な演説で「21世紀は対話の世紀である」と言いました。「違いとは本来、力の源泉である。しかし、残念ながら今はその違いが、悲しいことに偏見や差別を生んでいる。対話によって違いを乗り越え、それを力に、魅力に変えていこう」と言っています。ミライの子供たちは、単に英語の耳を持ち、きれいな発音ができるということではなく、「違いを力に変えられる」力を持ってほしいと思います。

石渡 そうですね。なんで言葉を話せる必要があるのか、それは、知り合い、共有し、対話するためだからですね。園長も、ミライの教育の究極の目的は「平和」だっておっしゃってるくらいですから。
幼児期は人格の土台を作ると思いますので、お子さんをお預かりする以上、私たちには大きな責任があると思っています。
保育、発育の視点をベースに、モンテッソーリと英語環境で、強くて優しい子供たちを育てたいと思います。

田中 そうですね。単語の数とか、書ける文章の長さではなく、本当に大切なことは目に見えないところにあります。人格の形成、多様性への寛容性、強くて優しく、自信があり、人を助けることに喜びを感じる子供たちが、今、ミライの環境で、間違いなく育っているように思いますね。

石渡プロフィール

2002年弁護士登録。
2016年ココネ株式会社取締役、2017年ココネエデュケーション株式会社代表取締役就任。
10年を越える弁護士経験を経て、IT企業であるココネ株式会社に入社。事業部長等を経験の上、現在バックオフィス統括取締役。ココネ株式会社が設立時から深く関心を有する語学学習の分野において社会に役立つ活動を行うために設立された子会社ココネエデュケーション株式会社の代表取締役。同子会社が2017年4月に開園したインターナショナルモンテッソーリミライキンダーカーテンのマネジメントを担当している。

田中茂範先生プロフィール

慶応大学言語学教授(2018年4月名誉教授就任)、ココネ株式会社語学研究所所長、PEN塾主催。
認知意味論、英語教育、コミュニケーション論の第一線で活躍する研究者であり、実践のための理論構築とその応用としての教材開発などに力を注いでいる。認知言語学を英語教育に取り入れ、イディオムや文法事項などの意味の中心的概念(コア)からの英語学習法を生み出す。
『認知意味論』、『コトバの意味づけ論』、『意味づけ論の展開』、『空間と移動の表現』、『幼児から成人まで一貫した英語教育の枠組み』『英語感覚が身につく指導:コアとチャンクの活用法』など多数の著書がある。

ココネ株式会社

2008年創業。現LINEの元になったNHNジャパンを創業し、後に第2創業としてココネを設立した千良明によって率いられるIT企業。言語教育研究所を有し、「英語組み立てTOWN」「英語聞き取り王国」などスマホ向け英語教育アプリを多数開発運営する。

ココネエデュケーション株式会社

2016年設立 ココネ株式会社が言語教育により社会に貢献するために設立。2017年より当園を開設、運営。ココネ言語研究所所長、慶応大学名誉教授田中先生を顧問に迎え英語教育に力を入れている。